FC2ブログ
2018-11-03

十一月三日文化の日

 

  これは四年前、言いたいことを言えず、

  身体も儘ならないときに書いたものです。

  リハビリの一環として、よければ。

  

 

 

十一月三日文化の日。

 

高校一年其のとき、青森から自転車を漕ぎ平内町へ遊びに行ってきた話しだ。

 

青森県東津軽郡平内町大字小湊。

 

文化の日1

Photo by 芽衣さん


十一月三日は朝から晴れていて、晩秋から初冬にかけて暖かく穏やかな晴天、小春日和である。

青森を自転車を漕いで出たのは午前七時、S君とW君と僕の三人。ペダルを踏み踏み目指すのは国道4号線。

何かを言う、大声で笑いながら、ある時は「なんだっきゃー」っと大声で聞いてくる、またある時は「何高かな、何人来るのかな」っと大声出しながら。

自転車で向かうのは小湊、K君が居る、っと言っても初めて会う女子高生達が気にかかる。

「何人来るのかな。初めて会って緊張しまくるのかなぁ、嫌だって言わないかなぁ?」

自分で落とす僕らが居る。

さあ、声を出して小湊へ、さあ行こう。

どさくさ紛れとは言わないが、どのようにでも好きにするがいい!

 

合浦公園、造道小、東陽小、浅虫温泉、浅虫水族館、白根崎、ほたて広場、マルタケ自動車整備工場、西平内郵便局、後、もうすぐだ。武田石材店、小湊中学校、照護寺、小湊小学校、平内町営野球場、平内町役場。小湊に到着。

 

K君が居た。小湊駅の近くで待っていた。女子高生四人も待っている。約、三十分待っている。それが楽しそうに、僕らの事など忘れているような。女子高生達が七か月ぶりに会ったのだ。七か月ぶりにっと言うけど、バイバイ、おはようと汽車の外で挨拶する程度、同じ中学校に行っていて高校が違うとなかなか会いたくても会えないものなのだ。勉強になるぅ~。

とは言え、僕らを紹介してよ。

 

女子高生二人はC高、二人は青商、四人は笑ってヨロシクねっ!

僕ら三人は緊張し、声が声にならない。

ぷっと微笑んだ四人が、

「なにしてらの、可笑しいわ~」

それで緊張の糸がぷつんとほどけた。

「な~にしてたのかな~?」

K君は怒った顔で、

「おめら、な~にしてらの」

怒った顔が笑ってる。

 

文化の日2


八人それぞれ別に自転車に乗り、平内の夜越山森林公園の中にあるテニスコートに着いた。

(夜越山森林公園っと言っても今は十月一杯で終了だが。昔、テニスは十一月一杯、テニスコートは使い放題、何時間やってもタダ。)

 

女子高生四人、中学時代はソフトテニスをやっていた。一人は今もやっている。四人ともラケットを一人二本ずつ持っている、カバーを掛け。

僕らは遊びでテニスをしたもんだが、四人は真剣にやるみたいだ。

 

簡単な紹介が始まる。

僕ら三人は合浦公園の近くにあるK高で男組。S君は淋しがりやで(本当のところ喜怒哀楽が激しくて)生意気な性格で、ななめ45度の眼鏡をかけた。っと言いすぎた、御免。W君は顔もいいし、どっちにしてもかっこいい。僕はスルー、スルー。

K君は良いか?良いも悪いもない、平内町には小、中学校とそれぞれ一つだけ。これで自己紹介したってどうする?そんなんでK君は「パス!」。

 

どっからか持ってきたネットを張り、男子は男子、女子は女子、笑ってラケットを振るのは男子、何も言わずラケットを振るのは女子。これでは話しが違う、ただ笑ってポーン、ポーンとラケットを振ればいいっと言ったのは誰だ?

 

女子は勝負師だ。

あの頃流行った週刊マーガレット・エースをねらえ! 名門・県立西高テニス部に入部した主人公の岡ひろみ、その他もろもろが有って一流テニス選手へと成長する物語。泣けるなぁっと一寸違う、一人は青商テニス部で一人はC高、二人は凄い、凄すぎる。S君とK君はテニスを少し分かる程度、W君と僕はテニスを一寸だけする程度、程度が違う。

 

S君とK君はダブルスを組んで、二人(C高と青商、少し弱い)にマ・ケ・タ、マ・ケ・タ、負けたのだ。二人は落ち込み、二人の女子は馬鹿笑い。

                                               

僕とTさん、W君とIさん(青商テニス部)とコートを挟んで練習を。時間が来た、W君と僕は顔が真っ青だ。

津軽弁交じりの

「さあ、勝負よ~」気にかかる。

 

サーブが来る、(神谷バーで名物のデンキブランを飲んでる様な身体が熱くなる、と言っても僕らは十五、十六歳 デンキブランなど知っちゃ居ない。)返す、スマッシュが来る、なんとか返す、ボールがノーバウンドでスマッシュ。前衛のW君がボレーで返す、前衛のTさんがリターンを返す、後衛の僕がスマッシュを打つ、後衛のIさんが軽く返す、ラリーが続く、Tさんがボレーをした瞬間、自分らコートにボールがポン、ポン、ポン。すべてが完敗だ。

女子が八勝ゼロ敗だと。紆余曲折、ただ落ち込むだけである。

 

文化の日3


僕ら四人と女子の四人は色々話しをした、おちゃらけな話しと、真面目な話しと、ど~でもいいような話しと。

 

あれから何時間経ったのだろう、時間にして午後二時半。

空が変化する、晴天一転、雨と雪が混じって霙が降る。初雪だ。

 

「おめら帰るぞー」

僕ら三人はテニスコートを後にし、五人とサヨナラを言い、霙に濡れながら自転車を漕ぐ。漕ぎながら大声でさっき会った話しをする。

W君は言う、

「楽しっきゃ~、おめ誰がいい~、わっ彼女がいるっきゃ。」

S君は言う、

「誰だって好いに決まってら~。」

僕は言う、

「わだっきゃ別れたから、Tさんが好い。恋だべ恋。」

 

寒気流入、手は冷たくて身体は熱い。Tさんに惚れる僕が居る~ってが。

津軽弁交じりの大声で、

「どっか湯さいこう」

S君とW君と僕、三人揃って、

「うんだ、うんだ。」

 

津軽弁無しに、

「霙に濡れたよ、どこか銭湯に行こう」

「いいね!」

 

女子四人に言いたいこと、やりたいことは山ほど有る、それでどうなったかはまた今度。霙が雪に変わる、もう冬だ。

 

 

どさくさ紛れ(まぎれ)     

混乱している状態に乗じて悪事などをすること。

 

紆余曲折(うよきょくせつ)   

物事が順調に運ばないで、こみいった経過をたどること。

 



にほんブログ村
スポンサーサイト

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する