FC2ブログ
2018-08-11

ねぶたよ さらば

 

川柳

  夏の雨

   雨の脚音

    雨明り

へんなの!!!

百日紅  

 

 

Photo by 芽衣さん

 

ねぶたの解体3


詩    芽衣さん

 

ねぶたは祭りが終ると

  すぐに解体されます。

とうとうお別れの時..

 

ねぶたの解体2

 

切ないほどに青い空。

また季節がひとつ過ぎていくね。

 

ねぶたの解体1

 

📷2018.08.08

 






 

  ねぶたの喧嘩(高三の夏)

 

あれは四十年前の青森の話し。

 

溢れ出る俺の血潮。

出世大太鼓、バカでっかい太鼓。

前四人、後ろ四人、上から下に一人バチを叩く者、下から三人バチを叩く者、合わせて八人の優れもの達。

ドン どどっと ドン どどっと ドン どどっと ドン。

凱旋太鼓、前後合わせて六人の優れもの達。

ドン どどっと ドン どどっと ドン。

でっかい太鼓を叩く音、音、音が耳の芯まで熱くなる。

このメロディが聞こえたら、ねぶた囃子に凱旋する。

ねぶたの坂上田村麻呂が廻る、跳人(ハネト)が跳ねる。

群衆が拍手をおくり、

「わー うわー」と叫ぶ、酒臭い息を吐きながら。

 

喧嘩両成敗と言うけれど喧嘩有っての祭りの始まり始まり。

跳人がひたすら跳ねる、跳ね終わったら直ぐ喧嘩の準備に取り掛かる。

ギラギラと目線が誰かを探す。

ビールを呑む、呑む。酔っぱらいが誰かを探す。

 

青森を離れて行こうとする者、ただひたすら青森にしがみつく者。

誰もが誰も喧嘩の相手を探してる。

高校三年の夏の事。

T子とは別れたが、友達以上恋人未満と言ったところか。

T子の事が気に・・・。

嫌 駄目だ、

「いくぞ(出陣)」「いくぞ」「おおう」

 

ラッセラー ラッセラー ラッセ ラッセ ラッセラー。

跳人らの怒号の襲来、轟音。

 

俺らは六人束になりアイツか、アイツか。

目を光らせ鬼に金棒とはこれ如何に。

四月が来ればそれぞれの道を行くのだから、其れは其れで仕様が無い。

唯喧嘩に勝つか負けるか、いざ勝負の世界。

 

「なぁ、何年」

「二年」

「わげな、せばな(若い、気つけろ)

愉しく無きゃ、祭りだもんね。

 

ラッセラー ラッセラー ラッセ ラッセ ラッセラー。

 

目と目が会う。

「なぁ、何年」

「三年」

「もつけ(調子に乗る)

敵は七人いるのが分かる。

(すそ)が足首を隠すように真っ赤なお腰(おこし)を履いて。

俺らは桃色のお腰を履いて。

当然、違う高校で。

「おめだず、あべじゃ。(お前達、着いてこい)

七人が荒い顔でざらざらと着いていく。

群衆が、

「あぐばて どさいげ(邪魔だ、何処かへ行ってくれ)

囃子の笛や太鼓、手振り鉦(がね)

それを聞いた跳人達が跳ねる、跳ねる。観てる群衆。

十三人の事など知らぬ存ぜぬ。

十三人ばらばらになり喧嘩のスタートだ。

「おもへ、こすぱすね(面白い、ぐだぐだ言うな)

「きまげる(腹が立つ)

「じぐねな(意気地が無いな)

「じょっぱりのずるすけだ(強情ッ張りの悪ガキだ)

「かちゃくちゃね(ごちゃごちゃしていてイライラする)

「さすねぇし、はんかくせぇ(うるさいし、馬鹿らしい)

「じゃわめく、けっぱるぞ(ぞくぞくする、頑張るぞ)」凄い津軽弁。

 

たすきを掴み、顔にパンチを呉れてやる。

「あんぶねな(危ないな)

顔をなぐる、腹を蹴る、頭を殴り付ける、ど突く、殴打する。

ぶっ飛ばす。

十三人共々パンチに力が入らない。

青色吐息の一人が言う。

「おったってまる、めぐせじゃ(疲れ果てたし恥ずかしい)

「へずねし、ぬぐいし(苦しいし暑いし)

一人ずつ道路に倒れるように座る。

敵らを見る。

ねぶたの衣装がズタズタに斬られ、顔も腹も脚も殴打や蹴りで腫れている。

ついさっき迄厳しく怒りの目だったのが優しくキレイな目をしてる。

ニヤニヤ笑ってる。

アイツも、アイツも、アイツも。皆が皆。

十三人寄れば文殊の知恵では無いが、一人の跳人が言う。

「おめだづ、けやぐだな(お前達仲間だよ)

「喧嘩両成敗だな」

「あずましい(気持ちえぇ)

「ビールかってご(ビール買って来て)

帯に結んであるガガシコは日本酒を呑むなら丁度良いが、ビールを呑むなら缶で良い。ビール缶を手でちょっと持ち上げ。

「ガンペーすよ(乾杯しよう)

「ガンペー」遠慮しながら。

「ビールうめじゃ(ビールが旨い)

「んだ、んだ(旨い、旨い)

「あだ、ビールしみるじゃ(あ痛て!口の中切れてるからビールが

滲みる)

 

十三人固まり怒号の襲来、雷の轟音、驚愕と自失。

跳人が跳ねる。

あラッセ あラッセ あラッセ あラッセ ラッセラー ラッセラー

ラッセ ラッセ ラッセラー。

 

二十六本の脚を足袋と草履で。

花笠など邪魔くさいものなど要らぬ。

あラッセ あラッセ あラッセ あラッセ あラッセ。

 

T子に最アタックを掛けようか迷う。

跳人の中から叫ぶ。

「T子すっぎだー(T子好きだー)

 

あラッセ あラッセ あラッセ ラッセラー ラッセラー。

跳人の振動でT子のTの字が消されるのはイヤだ。

 

明日は花火がドーンと飛び跳ねる。

T子を呼ぼう。ヨンデドウスル。ヨリモドス?

「しゃべりたくてもしゃべれない(言いたくても言えない)

俺が居る。

 

高三の短い夏が終わりを告げる。

 

 

 

   三年前に書きました。

   下手な散文詩でご免なさい。

   ごッホン、リハビリの一環としてぇ。

 



スポンサーサイト

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する