2018-07-16

今から三十年前になるのかな?

 

   線香花火

 

帰ろうとする人をひきとめるかのように降ってくる雨

遣らずの雨がポツリ、ポツリ

 

「ながさわくんは何がすき?」

 

「え~と、

半夏生(はんげしょう)が良いなぁ」

7月の初めに花が咲き、半分化粧をしたような葉をつける

 


 

「マナは何が好きなの?」

 

「マナはせんこう花火がすきなの」

 

「何で?」

 

「みてるだけでいいの」

 

線香花火・牡丹(短い火花が重なり)、松葉(広く飛び散る)、柳(火花がしな垂れる)、ちり菊(菊の花びらが咲いては散って、咲いては散る)

 


「マナ、幾つになった」

 

「マナは六つよ」

 

 

僕は空を見あげ、

「雨が止んだよ、マナ」

 

写真の中、

マナは誠におとなになって、

綺麗な顔で、笑っている

 




あれは、そう、今から三十年前になるのかな?

 

彼女が言った、

「幼稚園の運動会があるって。マナがでるのよ」

僕が言った、

「どうせ結婚をするのだから挨拶に行こうよ。緊張するな、初めて義理の兄に会うのだから」

 

幼稚園の運動場が有って、彼女の姉と彼女の義理の兄に挨拶をする。

まだ幼いころにマナとミナに会った。マナは五つ、ミナは三つ。

 

それから仲良くなり、義理の兄の家に遊びに行って、僕の家に遊びに来たり。夏がくればキャンプにみんなで行って、妻の実家で新年の挨拶をして酒を呑んだり、ゲームをしたり。

やっとのこと、長男が産まれて楽しさ一杯の時に、義理の兄が「俺、左指がケイレンのように動かない時があり、病院で見てもらう」

病院で調べても異常はないと言われ、病院を転々として慈恵病院に行きついた。色々調べたらALS(筋萎縮性側索硬化症)だった。義理の兄は三十代後半なので、「若い人は進むのが早い」と言われ、後一、二年持てば。

マナとミナは土曜の夕方に来て、日曜の夕方に帰ってゆく。色んな所に行った。義理の兄夫婦は日曜の朝から晩まで障害者センターでリハビリを受けに行った。一生懸命になりながらガンバっていたのだが、それから五年も。

 

マナとミナは大人になって、妹のミナは結婚をし、マナは杏林大学へ行きナースになった。マナの彼氏と仲良くなり、月二回長男の家庭教師をやってもらい、終わったら料理を堪能し、酒を呑むのです。マナはいません。

 

僕は脳出血を起こして、三日の間に地獄へ行くか、変な身体でこの世に残るかの瀬戸際に立たされていた。後者になりましたね。

 

杏林大学病院のナースをしていたので、夜にしか会えません。マナは優しい顔で手を握り、優しい声で「大丈夫、大丈夫。元気を出して」と。

 

一年を過ぎた頃に、青天の霹靂、劇症肝炎でマナは亡くなった。マナの前で七時間も泣いていた。「マナ、逆だろう。俺が・・・」

 

今日はマナの命日です。

 

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2018-07-15

薄れゆく記憶

 

Photo by 芽衣さん

 

奥入瀬渓流 


薄れゆく記憶の奥に

 

罪と罰が突き刺さる

 

この世の終わり

奈落のどん底

焼けつくような暑さ

猛暑、酷暑、極暑、激暑、炎暑

 

萌えるカラダになりたい

暑いカラダになりたくない

 

シャレにならない

歩くリハビリ

やめてやったら

汗がだくだくでる

 

水分補給と熱中症には気をつけて

がんばりましょう。

 

奥入瀬渓流 九段の滝

また、行きたいなぁ。

 

2018-07-13

義手にかぁ

Photo by 芽衣さん

 

ちょっと一呼吸


ちょっと一呼吸

 

 

リハビリのひとコマ

 

「おれ、右片麻痺で緊張すると、

右手が胸の高さまで上がる。

タダでさえ、

右手が言うことを聞いてくれない」

 

「怒らないで聞いてね、

  今から言うことスルーしてね」

 

「ゴック!!」

 

「右手を義手にすれば、

     キイボードの打ち込みも、

簡単にできるわ。  

医学は進歩しているの」

 

「ゴック!!!」

 

確かな予感。右手を義手にかぁ。

 



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2018-07-13

バラード

Photo by 芽衣さん

 

田舎館村田んぼアート

📷青森県田舎館村

名物の田んぼアート🌾🌾

 

 

心のアルバムを開いて

 

脳の奥深くに

沈めていた

記憶を辿ってみる

 

閉じた瞼に浮かぶ

高校時代の日々を回想する

五十五男のバラード

 

心のアルバムを閉じて

 



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2018-07-08

ひとりじゃない

ひとりじゃない、みんながいる

 

熱中症や体調管理に注意が必要です。

 

九段の滝 蝉

Photo by 芽衣さん

 


僕のリハビリを受けに行っている所で、

新聞紙にのっける散文詩に直しが出ました。

新聞と言っても一枚こっきりなのです。

 

 

夏の昼休み

 

 四十一年前の青森、七月の中旬を過ぎたときの話です。いいですか、静寂に聞いて下さい。そうでないと、もの恐ろしいことになります。

部活動も終わりを告げたころ、後は高校受験が控えていて。四時限目が終って、弁当を食べる人とパンを買いに行く人と。昼休み時間は四十五分しかないので、雨が降ってないと急いで外へ出て、するのは野球。バットはそこらへんに落ちていた木の棒と軟式のテニスボールを使い、たまたま僕がキャッチャーをする番。基明が変なところに打って、僕と基明が走ってボールを探していると草が生えて邪魔をする。

「これ、なんだ」、

「なんだろう、土だらけ」、

「うわっ、骨だぁ。脚の骨?大腿骨(だいたいこつ)?脛骨(けいこつ)?」、

「おーい、骨があるぞ」。

野球をしてたのが十二人並んで来る。

「ボールが見っからないので、ふざけて骨があったと言うんだろう」ワッハッハ笑える。骨を観て、ゾッとする、鳥肌が立つ。

「先生に来てもらう」と基明は走って職員室に。先生と一緒に女子らは来る。

「小学校の近くにキリストの墓がある」、

「十字架だぞ、どうしよう」、

「十字架はキリスト教徒の墓よ。十和田湖の近くに戸来(ヘライ)村があってキリストの墓があるわ。私、行ってきたの。あの骨、人間のよ。私、分かるの」美奈子が言う。

放課後まで待てと先生に言われ、基明はハンカチで骨を持って職員室へ。先生が電話をしている。五、六時限目など上の空で何一つ頭に入らない。

放課後に教室で先生が言う。

「ゴッホン、あの骨は、・・」。

胸騒ぎを覚える。

「あの辺の草が生えている場所は、むかし馬の屠畜場でした。桜肉って知ってる?馬の肉で、足をくじいてしまったら桜肉で冷やせば良いと言われています。食べても美味いです」。

みんながみんなホッとする。

美奈子を除いては。

「さぁて、受験勉強があるので、私は帰るわ」。

 

 ふと思い起こすと、「ヒッヒーン」と馬が最後の泣き叫ぶ大声を聞いたような?子どもの頃に、おっかなくて耳をふさいでいた。耳の奥にいまだに聞こえる気がした。

 

以上です。

これを、

8月1日に発行する新聞にのっけます。

 

 

 

押してくれたら幸いです



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